隣の芝生は青いし あっちの水は甘い。
人には必ず欲がある。
その度合いが他人から見て嫌味なくらいだったり
とても謙虚に映ったり
それはもういろいろ。
自分の中で折り合いをつけて
よそはよそ、うちはうちと割り切れれば
ゴタゴタ難癖つけられようが
目の前にある生活を
大切な人たちとの時間を守ることをいちばんに考えられるようになれてきた、かな?苦笑
母の定期通院に付き添うようになって3年。
色々なことに慣れてきた。
物忘れ外来のテストをとても嫌がるけれど
母は認知症などではない。
様々な検査結果、小さな脳梗塞を起こしていた形跡はあるものの、
物忘れは加齢によるもので、歳をとれば誰でも忘れっぽくなるし
自分に都合のいいことを都合よく解釈して都合のいい部分だけが印象深く残ってしまうだけ。
何度も同じことを確認したり、聞いていないといったりするのも
検査の結果で判断すれば、加齢による衰えの範囲で、痴呆や認知症などではない。
母の加齢による衰えは、思考回路より体力の方が心配。
反射神経が鈍くなってきていることは、私だって経験し始めてるからわかる。
気分が乗っているからと、調子よくアレもコレもと行動すると、後からどっと疲れが押し寄せるのは若い子でも同じ。
その回復にかかる時間が加齢とともに長くなっていることに気付いて
最初のうちはショックを受けていたけれど
今はもう「お互いそういう年齢なのよね」と笑って言いあえるようになった。
ここ1年くらい、通院時も散歩もお買い物も
一緒に歩く時は必ず手を繋ぐようになった。
そんな時、幼稚園の送り迎えをしてもらっていた頃を思い出すねと笑う。
そしてその後、私の知らない母の子供の頃の話を、記憶を辿ってたくさん話してくれる。
県庁所在地で繁華街の駅前で育った母は
駅からバスに乗ってお家に帰ることに憧れていたそうで、
だから実家は駅からバスに乗る距離。笑
「実際、不便なとこよね。あの頃ママ、通勤通学のことなんて想像もつかなかったのよ。パパにも本当に大変な思いさせてたのね」
「今ならホント申し訳ないって思う」などなど
いやもっと早くそれに気付いててよって
ツッコミまくって笑えるようになれたのも嬉しいかも☆
もし私が母と同じくらい長生きしたら
同じように笑えるかな。
以前ネットで拾った作者不詳の「母から娘への手紙」が
最近の母と私(と息子)の会話と重なることが多くて
初めて目にした時よりも心に響いてくる。
コレからの時間は母を中心に
よそを羨むことなく
穏やかに過ごしたいなと思う。
----以下引用----
母から娘への手紙
私のかわいい娘へ。
私が老いていることに気付いたときには、落ち着いて受けとめてね。
何より、私が直面している状態を理解しようとしてほしい。
話をしているときに私が同じ話を何回も繰り返したら、 「さっき同じこと言ったじゃない」なんて言って遮らずに、ただ耳を傾けていて。
幼いあなたが眠りに落ちるまで、私は幾夜も幾夜も同じ物語を読み聞かせたわ。
私がお風呂に入りたくないと駄々をこねても、怒って私を責めないで。
あなたが小さな女の子だったころ、言い訳をして逃げ回るあなたを追いかけて お風呂に入らせなければならなかったことを思い出して。
新しいものに対して私が無知であることに気付いたときは、 そんな目で見ないで、ゆっくり時間をかけて覚えさせて。
覚えてるかしら、私があなたにたくさんのことを教えてあげたこと。
正しい食べ方、お洋服の着方、髪のとかし方、そして毎日ぶつかる人生の壁との向き合い方まで、ね。
私が老いていることに気付いたときには、落ち着いて受けとめてね。
何より、私が直面している状態を理解しようとしてほしい。
私が何を話していたか分からなくなってしまったときは、思い出す時間をちょうだい。
そして、もし思い出せなくても、心配したり、いらいらしたり、馬鹿にしたりしないで。
私にとって何よりも大切なことはあなたと一緒にいることだということを分かってね。
私が年老いて、以前のように歩けなくなったときは、やさしく手をとって。
あなたが初めて歩いたときに、私がそうしたように。 そんな日がきても、決してさみしいだなんて思わないでね。
私が最期の日を愛情に包まれながら迎えられるように、ただそばにいて。
ともに過ごした時間、ともに過ごすことができた幸せを、あなたに感謝しています。
満面の笑みと、いつ何時も絶やすことのないあなたへの愛とともに伝えさせて。
愛する、私の大切な娘へ。
(作者不詳、出典不明)