Anna’s Mind

すきなもの きらいなもの いろいろ

美しさの向こう側。

フードアナリストとして

初めて海を越えた国で登壇した。

(そのことはまた別に記録するとして)
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仕事が終わった帰国前日の夕方

エージェントの方にヤンゴン川へ連れて行ってもらった。

クルージングディナーを楽しめる船や

ラグジュアリーホテルとして停泊したままの船。

華やかな場所はどれもこれも「お金持ち専用」

 

そのすぐ側に立ち並ぶ露店や屋台。

河岸に暮らす人々や

赤ん坊を抱いたまま座りこみ物乞いをする人

物売りの小さな子供。

 

ものすごくショックだった。

映像でしか見たことのない世界が目の前にある。

屋台の賑わいに興味はあるけれど

そこで食事をする勇気はでなかった。

(絶対、お腹壊す…)

少し前までいたセミナールームや

滞在ホテル付近とはまた違う生活感がそこにはあり、

平和ボケしている自分を痛感した。

 

何ができるわけでもない。

そこで懸命に生きている人を前に

本当に言葉を失った。

 

沈みゆく夕陽はとても美しく

切り取ってフレームに収めると

その美しさしか残らない。

でも、この赤く揺らめき

水面と雲海に反射する光の中に

人間が生き抜く逞しさと悲哀と繊細さが

ゆらゆら交錯しているように思えた。

 

かつて『南方』と呼ばれ

たくさんの日本兵が進軍し撤退した土地。

平和な時代と日本人だから言えるのであって

世界は広く、混沌としている。